小学校で英語教育が始まったが受験英語ではない

平成23年より、小学校で英語の授業が必修となりました。小学校5年生、6年生において1年間で35時間の外国語活動が年間授業に組み込まれたのです。

これは一見良さそうに見えるのですが、通信大学で英語の教員免許を取得しようとしている方に、現実を教えたいと思います。

どのくらいの英語力が身に付いているのか?

まず、授業時数を見てみます。5年生で35時間、6年生でも35時間の授業時数が組まれています。これをその他の教科と比べてみましょう。例えば国語であれば175時間。算数も同様に175時間。音楽は50時間といった具合でです。

35時間というのは一番少ない授業時数で、その他には「道徳」「特別活動」が同じ授業時数で設定されています。

ここで少し話がそれますが、道徳の授業時数が35時間というのは考えられないと私個人は思っています。道徳の考えを形成するとても良い授業なのですが、それをこれだけの授業時数にしている意味が分かりません。

話を戻しますが、これからのグローバル社会で活躍する人材育成のための英語教育のはずですが、たった35時間しか授業として組まれていない現実なのです。

では、実際にどれだけの英語力が身に付くのかというと、小学校で2年間の英語教育をしてきた子どもに英語を教えればすぐに理解できます。「全く身に付いていない」と。

そもそも小学校と中学校の英語が違う

そもそも、小学校で行っている英語教育と、中学校で行う英語教育は全く別物です。

小学校で学ぶ英語は、いわゆる「コミュニケーション中心」の授業です。英語を使って挨拶をしたり、自己紹介をしたり、ゲームをしたりといった感じです。

一方、中学校以降の英語はいわゆる「受験英語」です。文法中心であり、単語を覚え、英作文をし、長文を読み解きます。

といったように、全く違ったものなのです。なので、小学校の英語教育を受けてきたはずの子どもに英語を教えると、ほとんど単語を書くことは出来ません。「こんにちはって英語で何というの?」と言えば「ハロー」程度は答えてくれますが、「それを書ける?」と尋ねると「できない」と答えることが多いと感じました。

見直す必要があるのでは?

といったこともあり、小学校の英語教育が中学校の英語に役に立っているかというと、私から見ると「NO」です。

そもそも、国際社会で役に立つ英語力を持った人材を育成したいのであれば、英語でコミュニケーションを取れるようにした方が良いと思います。ということは小学校で教えるタイプの英語を、中学校、高校でも実践すれば良いのです。

事実、中学校、高校、大学と英語を勉強してきたのにも関わらず、英語を流暢に話せる人はどれだけの数いるでしょうか?ほとんどいませんね。英文は読めるかもしれません。でも話せません。それでは全く意味がありません。

なので、受験英語のシステムを大幅に変更する必要があるでしょう。

通信教育で英語の教員を目指す人へ

といったこともあり、英語の教員免許を取得したら、中学校か高校の教員になると思います。その際に、小学校での英語教育を期待しない方が良いと思います。

また、受験システムが今後変わる可能性があります。指導要領も変わる可能性があります。日本が目指しているのは、国際舞台で活躍する人材の育成です。つまり、英語でコミュニケーションを取ることができる人材です。

ということは、中学校や高校で授業のスタイルが変わる可能性がります。英会話を多く取り入れてくる可能性があります。そのため、もし英会話ができない場合には、今の内から勉強をしておいた方が良いと思います。

また、英会話が出来るようになると、違った角度から英語を教えることができるようにもなり一石二鳥です。

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